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『グローバルマーケットを開拓する足掛かりに』
三遠機材株式会社 代表取締役社長 早川 直宏 氏



早川氏写真
「グローバルマーケットの更なる開拓を進めたい」と語る早川社長
{概要}
三遠機材株式会社
〒440-0885 豊橋市中柴町30
STC(サンエン・トレーディング・センター)
Tel. 0532-55-6665 Fax. 0532-55-6664
URL http://www.san-en.co.jp
E-mail info@san-en.co.jp

 技術革新が目まぐるしい速さで進む自動車製造業界において、高い技術力を誇るサプライヤーを多く抱える三遠機材(株)は、専門商社として大手と中小の自動車部品メーカーを仲介し、高品質や適正価格、納期厳守を実現することで、顧客から厚い信頼を集めています。
 さらに同社は、業界の動向にあわせて海外展開を積極的に推し進めるなかで、メーカー機能を付加する新たな取り組みに臨んでいます。その礎として経済成長の著しいタイに生産拠点を建設し、本年1月より操業を開始されました。
 そこで今回は、三遠機材(株) 代表取締役社長 早川 直宏 氏に、タイへの進出をはじめとした海外展開戦略や今後の事業展望などについてお話を伺いました。

―早川社長のご経歴や創業に至った経緯についてお聞かせください。
早川社長
 高校・大学時代はラグビーに明け暮れました。当時、チームを強くするために私は部員達のモチベーション向上を図ること及びコミュニケーションを積極的に取ることに注力しました。
 なぜならラグビーは、チームワークがとても大切なスポーツであるため、ポジション間の連携・協調を図り、チームとして総合力を高めることが重要となるからです。
 この経験で得たことは、現在の会社を経営していく上で大変役立っています。特に従業員のモチベーションを高め、組織全体の士気を上げる取り組みに通じていると感じています。
 その後、鉄鋼商社に就職し、16年間にわたり営業を経験しました。この間、単に商品を売り込むだけの営業を行うのではなく提案型の営業を行ったことで、人脈を広げられただけでなく、更に親交を深めることができました。ここで培った人脈は、当社が成長するうえで原動力の一つとなっています。
 多くの鉄鋼商社は一次製品(鋼材)の取り扱いが中心で、二次、三次製品を中心に取り扱っている企業はごく少数でした。そのため、この分野の取り扱いに強みを持つ会社を創り上げることが出来れば、大きなマーケットを新たに生み出すことができると確信したため、1991年に当社を創業しました。

改善 タイ工場竣工式にて
タイ工場竣工式にて

―御社はどのような特徴を武器に事業を展開されていますか。
早川社長
 お客様が抱える課題、要望をお聞きし、現状よりも高品質、低コストで生産するための加工方法や製造工程のご提案をしています。そして、約300社あるサプライヤーから最適なメーカーを選び、生産を委託しニーズにあった製品開発をしています。
 この様に材料が完成品になるまでのサプライチェーンマネジメントを含めたトータルコーディネートを行えることが強みと言えます。当社は単なる商社ではなく、最先端の技術情報やノウハウを持った「知識製造業」として営業活動を行うことで、商社としての「介在価値」を高めています。
 また、取り扱い製品のほとんどは自動車部品関連ですが、一部農機や建機等の部品も取り扱っています。
 お陰様で今期の売上高は年度目標の78億円を達成する見込みです。

―商社である御社が、タイに生産拠点を建設されたのはどのような理由からですか。
早川社長
 一番大きな理由は、多くの取引先がタイに進出していることに伴い、マーケット(需要)が移転するからです。いわゆる現地調達(現調)です。
 ただし、タイで商社活動を行うためには、タイ政府から許可を得なければなりません。その要件として、メーカーとしての機能(BOI)を持ち、さらに国際部品調達拠点(IPO)の認定を受けることが義務付けられましたが、幸いどちらも短期間で認定を受ける事が出来ました。
 今後大きな経済成長が予想されるインドや東南アジアの中央に位置するタイは、物流面からみても魅力のある国だったことも一因です。
 また、メーカー機能を持つことでしか得られない経験やノウハウを活かした営業活動を展開することで専門商社としての付加価値を高められると期待しています。
 今後は、同工場を拠点に本来の目的である商社機能をさらに充実させて、タイのローカルサプライヤーと日系部品メーカーとの橋渡しも実施していくつもりです。

郷に入っては郷に従え
―タイ工場の従業員の多くが現地人ということですが、彼らを活用する際にどのような点に注意されていますか。
早川社長
 給与の条件が厚遇な会社への転職意欲が旺盛なため、タイは日本と比較して労働者の流動性がとても高い国です。そのため賃金規定を作成する際には、綿密な調査を行いました。
 また、工場の人事に関するマネジメントについてはタイ人に任せています。郷に入っては郷に従えではありませんが、タイ人はプライドを高く持つ傾向にあります。そのため、トップダウンで進めることが多い日本の慣習をベースに物事を進めてしまうと現地従業員のモチベーションを削ぐ要因となってしまうからです。
 ただ、人材育成の面についてはこれまで当社が展開してきた教育手法を持ち込みました。理由は、タイ人とコミュニケーションを交わした際に日本人と似た真面目で勤勉な人材が多いことを実感したからです。結果を見ても、日本人と同程度の生産性を確保することができています。

タイ工場外観
タイ工場外観
湖西事業所外観
湖西事業所外観

企業同士が情報交換できる機会の創出を
―海外進出をされたご経験から当所海外展開支援室にどのようなサービスを期待されますか。
早川社長
 中小企業が海外進出をするにはスピード・タイミング・バランスのとれた質の高い「情報」がとても大切であると考えています。
 当社が進出したタイでは4月から最低賃金が平均40%も引き上げられます。こういった情報は経営に大きな影響を与えるため、的確に把握しておく必要があります。これを怠ってしまうと、大企業と比較して経営基盤が脆弱な中小企業は海外から早期撤退を余儀なくされかねません。
 しかし、こういった外形的な情報は、JETROなどの海外展開専門の支援機関や金融機関等様々な方法で収集することが可能です。
 そこで、私が商工会議所に期待することは、会員企業の海外進出先をリスト化し、海外進出を検討している企業と引き合わせ、情報交換ができる機会をつくっていただくことです。実際に海外進出をしている企業から聞ける「生きた情報」は大きな手助けとなります。
 そして最終的には、当地域と現地との「ハーモニー」を醸成することが最大のテーマであると思います。
 これは市内の企業に強力なネットワークを持つ商工会議所だからこそ実現可能なサービスだと思います。

グローバルマーケットの更なる開拓
―最後に、今後どのような事業展開を行っていこうと考えていますか。
早川社長
 タイ以外の国にも現地法人を設立する等、グローバルマーケットの開拓に更なる力を注いでいきたいと考えています。その一つとしてすでに、韓国にも現地法人を設立し、中国(広州)には連絡事務所を設置しました。
 次なる展開はインド、インドネシア、さらにはメキシコ辺りも視野に入れなければいけないタイミングがすぐそこまで来ているものと考えています。
 今後も当社の経営理念である“感動とときめき”を共有しながら積極的な事業展開を行い、2015年には売上高100億円を達成できるよう精進したいと思います。

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